のの子のつぶやき部屋

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【BL】志村貴子 『起きて最初にすることは』 キャラ設定の妙

 志村貴子さん初BL! ということで大変期待して待ってた本作。

 さっそく発売日に買って読んだが……。

 か、感想が言えない。志村さんの漫画ってやっぱり感想言うの難しい。

 面白いし、泣けた。でもそれだけじゃない要素が多すぎて、それを言葉にできなくて困った。

 以下、全然まとまらない感想。ネタバレです。

 

 

 

 

 

 

『不憫BL』の特集の読み切りから始まった今作。志村さんBLコミックス出版は初めてだけど、BLは作品としては過去に描いている。

 どうにかなる日々に収録されてる双子の話。これも読んでるけど、こっちはわりと普通のBLだと思う。普通に萌えたし、志村貴子成分を含めつつ、特にひねりはない。

 でも、今回は、とにかくキャラの内面描写が単純でなく、それを言葉にできない(語彙力…w)

  志村さんってキャラで読ませるっていうよりはやっぱり「漫画」で読ませるタイプだなーと改めて思った。

 

 

 最初読んでて、普通に不憫兄と性悪弟の話かなと思う。でもその内になんか違うぞ…と思い始める。

 この兄、ただの不憫じゃない。

 不憫兄→性悪弟

 一途兄×兄嫌い弟

 真面目優秀兄×チャラ男弟

 変人兄×普通弟

 変態兄×ノーマル弟

 強引兄×流され弟

 鈍感兄×繊細弟

 単純馬鹿兄×複雑屈折弟

 片思い×片思い(両片思い)

 書きだすだけでこのどれもが当てはまるというCP。ってかこれが全部混ざってのCP。

 うん。よくわかってない\(^o^)/

 一見兄が可哀想に見える。でも口では変態だ、ホモだなんだって言ってる弟もエロパワーバランスでは完全に兄に押し切られている。

 このバランスがうまく言葉にできなくて困る。

 

 最初1話を読んで、あー兄が不憫だ…と思う。兄の公崇(どうでもいいけどコミックス裏のあらすじで見て兄の名前を今始めて知った)はゲイで父の再婚相手の血の繋がらない弟の夏央が好きで、でも夏央が学校で公崇がホモだと言いふらしたせいでイジメられ、不登校になり、そしてついには退学してしまう。

 これだけ見ると公崇の不憫感半端じゃない。

 夏央に好かれたい、といって涙を流すのも可哀想に思う。

 …でもちょっと待てと思う。

 確かに可哀想な兄だけど、弟が買ったコンドームを付けてオナニーしてそれをわざわざ「夏央のだから使いたかった」って本人に報告する兄は本当にただ不憫で健気で可哀想なのか????という引っ掛かりが残る。

 そういう公崇に夏央もちょいちょい突っかかっていく。ホモだ、気持ち悪いだなんだって貶しながらも夏央からなにかとちょっかいをかける。

 ついには足コキまでしてあげる夏央。嫌っている兄をいじめたい真理?でもホモ気持ち悪いって言ってる人がそんなことする?という疑問がここでも生まれる。

 1話の時点で、表面的には兄がものすごい不憫だけど、実は中身は案外そうで無いのかも…という可能性を感じる。

 2話では、夏央が風邪を引いて寝込んでしまう。寝ている夏央に起きないとキスするといい、一回はしねーよと否定したのに、やっぱりキスしてしまう公崇。このとき夏央は実は寝たフリをしていた。なのに黙って公崇にキスされる。そして、後から『さっきのズリネタにしたら殺す』とケータイにメッセージを送る。

 公崇は夏央を「本当に性格が悪い…」と思いつつ、ネタにする気満々。普通に考えて図々しいにもほどがあるだろう。

 公崇は夏央に邪険にされている自分をわかっていながらそういうことをして、しかもそれをいちいち言葉にして夏央に報告する。

 自分の気持ちを隠すという選択肢が公崇にはもはや無い。

 普通に考えて、夏央の立場だったらすごい気持ち悪くないか…?公崇は夏央に嫌われて当然だと思う。

 でも、夏央は口ではなんだかんだいいつつ。公崇のそういう変態行為をさして抵抗せずにいつも受け入れている。

 それどころか自分から仕掛けることもある。

 これは夏央もやっぱり普通じゃない。

  話が進むに連れ、この夏央の流され度も増していく。

 決して望んで公崇に触れたいとか、そういうことは思ってないのにとにかく公崇に流されまくる夏央。

 そして口では謝っているものの、ものすごく強引に押しまくる公崇。

 言ってることとやってることが二人とも逆なんだよね。

 夏央は、勉強ができる優秀な兄を尊敬していて、そんな兄を退学に追いやったことに罪悪感を感じてる。

 公崇もイジメにあったことは辛かっただろうけど、嫌なら学校に行かなきゃいいだけだという。夏央のせいでそうなった、と夏央を責める気もない。

 ここの関係もなんとなくすれ違ってる。

 とにかく公崇が変人過ぎるから、公崇に比べると普通な夏央はいろいろ戸惑う。普通のことが兄には通じないから。

 公崇の頭の中は基本的に夏央が可愛い、夏央にエロいことしたい、夏央に好かれたいしかない。他は些末事だ。

 でも夏央は公崇に対して、罪悪感とか、裏切られたこととか、「カス」のせいで人生棒に振ったこととか、色々考えてて、公崇よりよっぽど悩んでる気がする。

 

 最終的に「俺、好きだったじゃん。裏切ったのはてめーだ」と告白めいたことをいう夏央。

 でもこの好きが恋愛的な意味なのか判断がつかない。

 もう終わり、と言いつつ。デートしたいという公崇にも付き合ってあげて、手まで繋いであげる。

 やっぱり夏央も公崇のこと好きなんじゃん…と思う。

 

 その後も多分ずるずると公崇に引きずられて、夏央は流されていくとこまでいっちゃうんだと思う。

 うん。夏央かわいいよね。そして公崇変態すぎ。

 

 

 という話でした。

 感想にもならんのだけどこれ以上なんも言えない…w

  

 

 

 

起きて最初にすることは (シトロンコミックス)