【一般漫画】志村貴子 『青い花』 結局この漫画の読み方って?
マンガ夜話で青い花を取り上げてるの今更知って、某チューブに動画あったので見てみました。
レギュラーメンバー最初からちょっと辛口w
ゲストの喜屋武ちあきさんが1人でそれに立ち向かっているような構図になってて質問攻めでなんか可哀想になった。
番組では終始、女性と男性の見方の違いの話題になってて、初めて青い花って男性にはあまり理解できない話なんだなーと知った。
でもマリみてとかは多分結構な割合で男性が買ってただろうし、青い花ファンの男性もかなり多いはず。
そういう男性はなにを思って百合漫画を読んでるかってそりゃそれが萌えるからに他ならないと思うんだけど。
誰に感情移入して読むとかそういうのは二の次で女の子同士での恋愛模様をただ見てたいってだけ…なんじゃないかな?
みんなそんなに考えこんで漫画なんて読まないよ。
マンガ夜話ではなんとなく言ってることに違和感が多くて、そうじゃないんだよー!となんか不満が募る。ただ放送当時はまだ4巻までしか発売されてなかったので作品の全容が見えてなかったっていうのはあるかもしれないけど。
作品は今、完結してるけど、じゃあ自分ではどういう風にこの漫画読んでたんだろうと思うと実はよくわからない。
番組ではこの作品にあまり感情移入できないという意見多かったけど、確かに青い花に限らず志村さんの漫画って読者置いてけぼりなこと多い。
空気感を読むって言ったらそれまでなんだけど、私は少女漫画に限らず余白のある漫画が好きで。どっかに抜けが欲しい。テンポが遅い漫画の方が肌に合うのだと思う。
志村さんの漫画ってキャラの心情をモノローグじゃなくて空白とか表情で表現することが多いから、なんとなくなんのレスポンスも無く、どんどん話が進んでいってしまう感じがする。
ストーリーに関しては大月さんが少女漫画は話を追わなくなったって言ってて、青い花に関してはそうかなー?と思ったけど、確かに私はこれ日常漫画として読んでるんだよな。
よつばとと同じ感覚。自分は入っていけない空間の物語をただ眺めてる。
もちろん、恋愛模様が切なかったりそういうのはあるんだけど、そこまで入り込んで読む漫画じゃないと思う。それでいいと思う。
あと、ものすごく穿った見方をすると、読者が性的マイノリティにどういうスタンスで向き合ってるかによって受け取り方も変わってくるんじゃないかと思う。
この漫画って百合で片付けるにはあまりに生々しい女性同士の恋愛が描かれていて、そういう部分ではかなりリアルだと思う。
この漫画はファンタジーだって言ってたけど、本当にそうだろうか?
青い花って結構真剣に女性同士の恋愛について描いてると思う。
同性愛でなにが一番の辛いかっていうと社会的な立場としては認められないってことなんじゃないかと思う。
でも青い花ではそういうのは一切描かれない。女なのに女性を好きになってしまって、でもそれは世間では認められなくて、自分は認められない存在なんだ。みたいにアイデンティティに悩むことはないです。
そういう意味では同性愛者にやさしい世界かもしれないですね。
でもふみちゃんとあーちゃんの恋愛や、周りの生活がファンタジーで現実感が無いかというとそうじゃない。
こういう恋愛がどこかにあるんじゃないかって思えるくらいにはリアルだと思う。
それと、この漫画終盤になるとかなり露骨に性描写があって、この辺も百合という言葉のマイルドさをぶち壊してくる。
私は、同性愛者じゃないし、女子校でもなかったけど、女の子が女の子に憧れる気持ちはとても理解できるし、もし身の回りにレズビアンの人がいたとしてもあまり気にならない。同性愛についてはできればもっと世間に広く認識されて、受け入れられればいいなと思ってる。
でも青い花って、潜在的にでも同性愛を認められない部分がある人は読むと引くんじゃないかな。
それくらいにはある種のリアリティをもって描いてると思う。
だから、感情移入できないっていうのはキャラの好き嫌いの他に同性愛を受け入れているかっていうのも関わってくると思う。
見ちゃいけないものを見ている感覚とか、見ていて恥ずかしくなる感覚って分かるんですけど、多分そういう人は同性愛を全面的には受け入れられない人なんだと思う。
超絶穿った見方をするとって話ですけど。
決して女子校のファンタジーじゃない。
こういう恋愛が現実にあってもいいじゃないって思う。