のの子のつぶやき部屋

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【少女漫画】いくえみ綾『太陽が見ている(かもしれないから)』 所在ない三角関係

 

 

 

 まだ連載中の作品で、本誌では新章に突入しました。

 I LOVE HERの復刻版コミックス目当てに雑誌買いましたが…。

 

 これ、これからどうなるんだ…ととても不安になる。そして同時にわくわく。

 

 安定のネタバレ&無駄に深読みの感想なのでご注意下さい。

 

 

 4巻で岬、楡、日帆の関係は大きく変わり、岬と楡の間にあった奇妙な友情関係はそれぞれの「恋愛感情」が入り込むことによって解消された。

 ただ、4巻まで読んできてわからないのが、楡の「恋愛感情」だ。

 日帆は割と最初から楡が好き、岬も友情よりは多分恋に近い感情を楡に抱くようになる。

 では、楡はどうなのだろうか?

 楡は誰が好きなのか。

 「事件」がきっかけで日帆に「昔みたいに俺のそばにいてくれる?」と告白めいたことを言って楡と日帆は付き合うようになる。

 

 物語の最初から、楡の心情はずっとよくわからないままだ。

 でも、なんとなく、楡は日帆のことは恋愛感情という意味では好きじゃないんじゃないんだろうかと思う。もちろん好意はある。でもそれは純粋な恋愛感情なのか。

 まあ、個人的に日帆みたいなキャラが苦手で岬を応援したいという気持ちのせいかもしれないが…。

 楡を、そこまで「追い詰めた」出来事は日帆が目にけがをした事件のせい。日帆のケガは楡のせいでもある。楡を庇ってケガをした日帆に告白した楡。

 私には、どうしても楡が罪悪感から責任を果たそうとしているとしか思えない。

 楡には、過去の出来事からずっと罪悪感がついて回る。日帆の父にケガを負わされたのだって楡は自分が被害者とは思っていないだろう。自殺した同級生のこともそう。楡の消えない傷だ。この罪悪感に楡は動かされているのじゃないか。

 日帆というキャラがどうしても好きになれない私はそういう風に解釈するのが一番しっくりくる。

 いくえみさんもわざと女に好かれなさそうなキャラを描いているんじゃないかと思えるくらいだ。飯島が「井田さんって苦手」「よくわからんから」ってセリフ読んだとき、やっぱりそうだよね、と思ってしまった。

 日帆ってよくわからんキャラだよ。岬はすごくわかりやすいキャラなんだけど、日帆は全然わからなくて、あんまり共感もできない。すごくいい子だから女のいやらしい部分、あざとさみたいなのが露骨に見えてしまう。

 そう、あざといんだよね。岬に比べると女の子すぎるというか。こういうのが苦手なんだな…。

 というわけで、なんだかよくわからないまま、楡と日帆は付き合うことになり、岬も飯島という都合のいい男(そして性格もすこぶるいい)が現れ岬も飯島と付き合うことに。

 うーん。もやもや。というところで4巻終了。

 私は、コミックスと同時にその日、本誌も買ったのでそのあとすぐに続きを読んだのですが…。

 4巻で、はあ?と思った人も楽しみに5巻を待っているといいと思います。

 

 

 

 

 以下、雑誌ばれなので更に注意!!

 

 

 新章では、4巻の終わりから3年が経ち、3人は20歳になっていた。

 楡と日帆は同じ大学通う大学生。岬は進学はせず、カフェで働いている。

 楡と日帆、岬と飯島の関係はともに良好でなにも問題はなく、幸せな「ように見える」。

 でも穏やかで、何も考えずに幸せでいられたのは、「本当」のことを考えずに日々を過ごしていたから。

 ずっと、幸せだ、幸福だ、と繰り替えず岬。「考えるな」と思う時点でそれは偽りだと気が付いている。

 岬は違和感に気が付いている。

 では楡は?

 ということで、ようやくここから楡の心情に迫ってくるのかな?という展開。

 理由をつけて一人で岬に会いに来る楡。彼の気持ちはいったいどこにあるのか。

 今後、一波乱もふた波乱もありそうで怖いです。

 

 ってか、飯島兄はどこにいったのか。なんかやばい感じになっていたが、再登場するのだろうか。

 

 太陽が見ている(かもしれないから)って、お天道様は見ている(から悪いことはできない)みたいな意味かと思ってたけど、最新話読むと違うのかも、と思った。

 

 ということで、4巻でがっかりした岬を応援していた人は5巻を楽しみに待ちましょう。(でも飯島を捨てて、岬と楡がくっついたらそれはそれでどうなの?って話だけど)

 

 

Cookie(クッキー) 2016年 05 月号 [雑誌]